天生県立自然公園 2023/6 植物アルバム [植物]
天生県立自然公園に春を告げるサンカヨウの花
2023年6月に訪れた岐阜県飛騨市の「天生県立自然公園」で見かけた植物の一部をご紹介します。
ハイキングレポートはこちら→https://teppan2.blog.ss-blog.jp/2023-06-04
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イワナシ(岩梨:下段実) 実は梨のような食感でおいしいそう。
エンレイソウ(延齢草)
この仲間は北海道を除けば、本種とミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)とオオバナノエンレイソウの3種類。葉、花弁、萼、雄しべ/雌しべの柱頭が全て3または3の倍数からなるので、学名をTrillium(トリリウム)と呼ぶ。胃腸薬として使われるが有毒なので多飲は不可とのこと。
オオカメノキ(ムシカリ)
葉が亀の甲羅に似るため「大亀の木」と呼ばれる。別名の「ムシカリ」は虫が葉を好んで食べるから。冬芽の形が兎を連想させかわいい。真っ赤な実がつく。よく似たヤブデマリは装飾花が4弁だが本種は5弁。
キヌガサソウ(衣笠草)
最大直径80センチにもなる大きく豪華な野草。和名は古代の行幸などで高貴な人にさしかけた衣笠に見立てたことに由来する。
コウモリソウ(蝙蝠草)
名前は葉の形がコウモリ(蝙蝠)の羽に似ていることから。
コシアブラ(濾油)春の山菜の代表格で新芽を食用にする。
コチャルメルソウ(小哨吶草)
名前は安土桃山時代に伝わったとされる中国の楽器「チャルメラ」に果実の形が似ていることから。日本には本種をはじめ多くの固有種がある。
コミヤマカタバミ(小深山片喰:下段ベニバナ) ミヤマカタバミより小型だそうですが、見ても違いが良く分かりませんでした。
コヨウラクツツジ(小瓔珞躑躅)
仏像の首などに掛かっている仏具のひとつ「瓔珞」に花の形が似ていることから。同属の木は釣鐘状の花が付く。
クロモジ(黒文字)
クスノキ科の特徴で枝葉は香りが良く、和菓子の楊枝に使われる。
コバイケイソウ(小梅蕙草)
バイケイソウと葉が酷似するが花の様子は全く違う。バイケイソウは低山に分布するが、本種は亜高山帯に分布する。コバイケイソウは雄花と両性花が混在するが、バイケイソウは全て両性花。
愛知・岐阜・長野の低地に自生するミカワバイケイソウは、氷河期の終わりにコバイケイソウが取り残されたものだと言われる。バイケイソウやコバイケイソウの新芽は山菜のウルイ(オオバギボウシ)に似ているので、誤食して中毒を起こしやすい。
モウセンゴケ(毛氈苔)
言わずと知れた食虫植物の一種。本種は夏に白い梅型の花を咲かせる。同属のコモウセンゴケとトウカイモウセンゴケはピンク色の花が咲く。
サンカヨウ(山荷葉)
黒く熟した実はさほど美味しくないが食べられる。長雨に当たると花弁がガラスの様に透き通ることで知られる。
ズダヤクシュ(喘息薬種)咳止めの薬草。ズダ(喘息)は信州の方言。
オオタチツボスミレ(大立坪菫)
タチツボスミレより大型とのことですが良く分かりません。オオタチツボは花の後ろの「距」が白く、タチツボは紫色とのことですが、写真の株は白でした。
タケシマラン(竹縞蘭)
ユリ科に分類される。オオバタケシマランは葉の基部が茎を抱くが本種は抱かない。実は熟すと真っ赤になる。
タテヤマリンドウ(立山竜胆)
ハルリンドウの高山型変種とされるが区別は難しい。たしかに低地で見るハルリンドウより花は小さく感じた。
タムシバ(田虫葉) 葉を噛むと清涼感がある。タムシバの垂直分布は中部だと標高1000メートル前後なので、山で咲いているモクレンの仲間はほとんどがタムシバ。コブシのように花の付け根に托葉はない。冬眠明けのツキノワグマが好んで花を食べる。
ツクバネソウ(衝羽根草)
名前は実が羽根つきの羽子(ムクロジの種に小鳥の羽を数枚さしこんだもの)に似ていることから。
ツバメオモト(燕万年青)
オモト(万年青)に葉の形が似ていて、実がツバメの頭に似ている、またはツバメが飛ぶ頃に開花することから名前が付いたとされるが、ハッキリとは分からない。均整の取れた葉は大きく美しく、瑠璃色の液果も美しい。
ツボスミレ(ニョイスミレ)
ツルシキミ(蔓樒:実)
雌雄異株。ミカン科で葉を揉むと柑橘系の清々しい香りがあるが有毒。ミヤマシキミは枝が立ち上がるが、本種は這うように伸びてあまり立ち上がらない。積雪の多い日本海側はこの種が多い。
ナナカマド(七竈)
バラ科で、7度竃(かまど)にくべても燃え残るとか、7日間竃で焼くと良質の炭になるとかが名前の由来だとされるが、実際には良く燃える材だそうだ。同属のタカネナナカマド、ウラジロナナカマド、ミヤマナナカマドは亜高山帯~高山帯に分布する。
ニリンソウ(二輪草)
同じ株から2輪花が咲くのでこの名があるが、実際には1~3輪と個体差がある。同種は葉の付け根に葉柄がないが、サンリンソウは短い葉柄がある。また、イチリンソウは花が大きく葉の形が本種とは全く違う。
キンポウゲ科は有毒種が多いが、ニリンソウは新葉を山菜として食用にする。春はトリカブトの葉と見分けがつき難くく、同じ場所に混生する事も多いので、誤食して中毒を起こしやすい。
ノウゴウイチゴ(能郷苺)
奥美濃の能郷白山で最初に見つかった。日本在来種のイチゴで食べられる。
ベニバナイチヤクソウの蕾(紅花一薬草) 傷や虫刺されに使う薬草。
ハウチワカエデ(羽団扇楓)
日本に自生するカエデの中でも最大級の葉を持つ。teppanが鈴鹿の山で見たものは手のひらより大きかったです。
ホウチャクソウ(宝鐸草)
名前はお堂や塔の四隅につるす大型の鈴「宝鐸:ほうちゃく」に似ていることから。一見花が似ているナルコユリ・アマドコロとの違いは、茎が分岐する、花弁が合着しない、毒を持つ点です。
ヤグルマソウ(矢車草)
名前は鯉のぼりの竿の先端の飾り「矢車」に葉の形が似ていることから。1メートル以上の花茎を伸ばして白い円錐花序の花を付ける。
ユキザサ(雪笹)
ユキザサの花は白いが、ヤマトユキザサは緑色。写真はヤマトユキザサかもしれません。
マイヅルソウ(舞鶴草)
葉っぱの形を鶴が羽を広げた様子にたとえたもの。登山道脇の明るい林床に群生する。真っ赤な実が付く。
ミズバショウ(水芭蕉)
童謡「夏の思いで」にあるとおり尾瀬を象徴する野草。標高の高い尾瀬では夏の花だが、多くの場所では春の花。白いのは仏炎苞と呼ばれ、中央の円柱状が花。名前の由来は水場に生え、芭蕉布の材料になるイトバショウに葉が似ているから。花が終わると葉は巨大化する。
ミツガシワ(三槲:三柏)
名前の由来は3枚の葉がカシワのに似ていることから「三槲」。あるいは家紋に取り入れられている三柏の文様に似ていることから「三柏」。ニホンジカの大好物だそう。
ミツバオウレン(三葉黄連)
亜高山帯に分布。イチゴに似た三出葉。同属種の根茎が生薬(健胃薬)の黄連になる。
ミツバノバイカオウレン(三葉梅花黄連:実)
葉はミツバオウレン似の三出葉で、花はバイカオウレンに似た梅形です。実の形がミツバオウレンとは違う。
ムラサキヤシオ(紫八汐)
ツツジの仲間。新緑の季節に濃い赤紫の花を咲かせるので目立つ。葉が枝先に5枚束生する。雄しべは10本。
ラショウモンカズラ(羅生門葛)
名は”渡辺綱が羅生門で切り落としたとされる鬼女の腕に見立てたもの”とされる。よく似るヤマタツナミソウは本種より萼が小さいことで区別できる。
ルイヨウボタン(類葉牡丹)名は”ボタンの葉に似る”という意味。
リュウキンカ(立金花)
初夏の湿地でミズバショウと共に群落を形成する草花。花言葉は「必ず来る幸福」「富」なので、必見の草花。
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