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【飛騨】天生県立自然公園 8月 2023/8/3 [山歩き・ウォーキング]

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 霧の中にそびえるブナの巨樹

天生峠(あもうとうげ)駐車場 岐阜県飛騨市河合町天生
 6月、7月に続いて今年3度目の天生県立自然公園へ。この時期の天生湿原は静かで平和そのもの、落ち着いて散策できるので野草好きの人にはお勧めです。

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 東海北陸自動車道「ひるがの高原SA」で朝食、3度目なのに今回も白山は姿を見せてくれませんでした…標識にカラスが乗っています。


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 天生峠駐車場。先に駐まっていたのは1台だけ、この時期は閑散としていました。


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 天生県立自然公園を管理しているスタッフの方がトイレに飾る花を入替中、心遣いに感謝です。


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 駐車場周囲の法面には幾つか野草が自生しています。こちらはベニバナイチヤクソウ、花期は6月中旬で今は実になっています。


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 アカモノ(イワハゼ)は釣鐘状の秀逸なデザインの花が咲きますが、こちらもすでに実になっていました。


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 6月に来た時に教えてもらったハクサンシャジンは随分伸びてきました。スタッフの話では天生では唯一ここだけ(駐車場)で確認されているそうです。花が咲くのは8月下旬あたりでしょうか?


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 オオウバユリの花は駐車場周辺に数株ありました。カラ谷分岐付近にもありますが、花はすでに終わっていました。


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 ヤマブキショウマ、天生峠まで来る途中の国道沿いにもたくさん咲いていました。


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 黄色い花が咲くタマガワホトトギス。カラ谷分岐付近や木平分岐付近のものも、花は全て終わって実になっていました。


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 アケボノシュスランの葉、秋に花が楽しめるでしょう。


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 天生湿原(第2湿原)に到着、この日は私達が一番乗りでした。


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 巨大化したミズバショウの葉は倒れていました。


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 先月来た時は花が最盛期だったササユリは実になっていました。先端に留まっているのはアキアカネ、自然公園内のどこへ行っても、ぶつかりそうなくらいたくさん飛び交っていました。


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 ヤマキツネノボタン


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 長い花茎はウメバチソウのつぼみのようです。


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 この時期天生湿原の主役はシラヒゲソウ、遠目にも群生している様子が分かります。


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 シラヒゲソウはウメバチソウの仲間だそうで、葉の形や付き方がよく似ています。


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 カラ谷分岐手前の小湿地(カラ谷湿地)。マルバダケブキの黄色、エゾアジサイの青、トリカブトの紫の花が目立っていました。木道の周囲にはシラヒゲソウが咲いていて近くで見ることができます。


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 マルバダケブキの葉


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 こちらは同じくマルバダケブキの花。花茎は人の背丈を超え、葉も花も大きいです。


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 ノリクラアザミのつぼみ、葉に触るとチクッとするのでアザミの仲間だと分かります。


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 葉っぱの裏側が真っ白なのが特徴。乗鞍岳周辺に多く自生するそうです。


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 ヤマトリカブトが咲き始めていました。


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 天生に自生するのはエゾアジサイとのこと。ヤマアジサイより花冠が大きいそうですが感覚的にはそうでもありません。ただ、天生で見かけるのは青いものが大部分です。


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 カラ谷分岐


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 オオウバユリの実。どれも人の背丈を超える高さでした。


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 ヤブマオの仲間だと思いますが詳しくは分かりません。


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 ハクサンカメバヒキオコシ


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 トチノキでしょうか?丈は低かったですが葉っぱは大きいです。


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 ミズバショウ群生地


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 キノコの脇にあったこれは一体なんだろう?触ってみましたが特に動かないので、その時は菌類の一種なんだろうと思いました。ところが、帰ってから調べてみたらヤマナメクジが交尾しているところだと知ってビックリ!
 ナメクジは雌雄同体で自家受精できるそうですが、相手が居れば交尾をするようです。白いのはお互いの生殖器。


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 今回の目的は希少な野草を写真に収めることでしたが…


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 高い木の上に着生しているので探すのも一苦労。ようやく見つけて撮ったのがこの写真ですが、良く分かりませんよね。


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 次はカラ谷道を登っていきます。


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 毎年山開きの時期に花の最盛期を迎えるサンカヨウ。この季節は実が残っている株もわずかでした。


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 緑に包まれたカツラ門


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 ヤグルマソウの群生


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 まだツボミも膨らんでいませんでしたが、各所で開花の準備を進めているサラシナショウマを見かけました。トンボがアクセント。


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 花茎を伸ばし始めたクロクモソウ、沢沿いの湿った場所に生えていました。ユキノシタの仲間だそうです。


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 カラ谷から木平分岐を過ぎ、籾糠分岐に続く坂道の途中に展示してあったヤシャビシャク(夜叉柄杓)。樹上に着生している植物なので、普段見ることは難しい種類。倒木に付いていたものを切り出したのでしょう。実が付いていましたが、春に梅型の白い花が咲くそうです。


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 倒木から現地調達で切り出された歩道整備用材、周囲には切りくずが積もっていましたが、大変な作業ですね。


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 籾糠分岐にある休憩所でランチ。山メシ処てっぱん・天生支店の開店です(^^
材料は、トマトジュース・塩おむすび・お茶漬けの素・すりおろしニンニクを混ぜ合わせ、刻みネギ・大葉・刻み海苔、それに氷を添えただけ。100%トマトジュースだけだとドロドロしますので、水か緑茶を加えると良いです。


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「冷やしトマトジュース茶漬け」
カップラーメンだと熱いですし、パンやおむすびは喉を通りにくいので、食欲減退気味の夏はこんな食べ物がいいです。トマトに含まれるクエン酸の疲労回復効果があるのでハイキング向き。ニンニクを少し加えると美味しいですよ。


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 食後のデザート。保冷バッグに保冷剤と一緒に詰めて持って来ましたが、SAのコンビニで購入してから7時間経っているので、さすがに溶けてシャーベット状でした。
 この日は野草の撮影が目的なので、籾糠山のピークハントはせずに下山。


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 木平分岐まで下って、ここから木平湿原を往復します。この季節はモウセンゴケが開花しているはずです。


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 フライングで紅葉したナナカマド。


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 ここまでほとんど森の中で涼しかったですが、木平湿原に向かう道は途中直射日光にさらされるので暑かったです。


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 真夏の木平湿原 高層湿原でミズゴケ、モウセンゴケ、ヤマホタルイなどが生えています。

 ※備忘録「湖沼起源の湿原について」
・『低層湿原』
 湖沼に周囲から土砂が流入してある程度埋まると、ヨシなどの抽水植物が生えるようになる。植物の枯死体が堆積してさらに埋まっていくと低層湿原ができる。周囲から栄養分に富んだ水が供給され、地下水位が高く冠水しているのが特徴。中性~アルカリ性、富栄養で大型の草本類が生え生物種が豊富。
 低層湿原の指標植物:ヨシ・ミズバショウ・リュウキンカなど
・『高層湿原』
 低層湿原から先は、栄養が引き続き供給されると沼沢地へと遷移していく。一方栄養が供給されない環境では弱酸性の厳しい条件に耐えられるミズゴケが増えて泥炭が堆積し、やがて地下水位より表面が高くなると高層湿原と呼ばれる段階となる。高層湿原にみられる水たまりを池塘と呼ぶ。
 高層湿原の指標植物:ツルコケモモ・ヒメシャクナゲ・モウセンゴケなど

 「高層」「低層」は標高の高さを示しているのではなく、地下水位との位置関係で分けられている。日本には湖沼起源の湿原は少なくて、もともとは乾燥していたが水はけが悪くなったことや、河川の氾濫が元で湿原化したものが多い。山地の尾根などに発達した湿原は、雪の吹き溜まりが恒常化して湿原化したもの(雪田)。

 東海地方以西に見られる湧水湿地は、酸性・貧栄養の湧水により涵養される湿地で、低層湿原からの遷移ではなく、初めから中間湿原の植生が生じ、シラタマホシクサ・シデコブシ・ミカワバイケイソウなどの固有の植物群が生育している。
※「信州湿原紀行」信濃毎日新聞社刊より抜粋

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 モウセンゴケ 何か捕まっているようですね。


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 わずかな水の中にオタマジャクシがいました。


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 木平分岐にもどる途中、猿ヶ馬場山や籾糠山(右端)が見えました。


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 オトギリソウの葉 黒点とか明点(白い点)とかで分類するようだが良く分かりません。


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 笹に花が咲いていました。良く言われるように、今後一斉に枯れてしまうのかもしれません。


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 カツラ門休憩所。見落とした野草がないか探しながら、再びカラ谷道を下りました。


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 湿原観察路北分岐


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 天生峠に戻ると、ハイカーさん達は皆帰った後でした。途中でお会いしたスタッフの方が、遅い時間に入山したソロハイカーさんを心配していましたが、私達が帰り支度を済ませて天生峠を出る頃には無事もどってこられました。

 ※この日撮影した植物はこちらのリンクにまとめてありますのでご覧ください↓
  https://teppan2.blog.ss-blog.jp/2023-08-07



(おまけ)
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 白鳥の「かみほの湯」で温泉に浸かった後はお約束のこれでかんぱい!


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 帰りが遅くなりそうなので、温泉施設で食事を済ませてから帰りました。


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Jetstream

山行にはいつも美味しそうな食事、デザートまで持参されますね。
また下山後の食事、いつも美味しそうです。!(^^)!
by Jetstream (2023-08-08 22:34) 

teppan

こんにちはJetstreamさん、コメントありがとうございます。

 メジャーな山々は遠く感じてなかなか足が向きません。いつも代わり映えしない里山歩きばかりでレポートもマンネリ化してますので、食事ネタでお茶を濁しているだけなんです(^^;)
by teppan (2023-08-09 10:55) 

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