SSブログ
[次項有]2022年2月より新着記事はブログ「てっぱん家2」に移行しました、これまで同様よろしくお願い申し上げます。
これまでのブログ「てっぱん家」はこちらからどうぞ

楽しい森林ウォーキング・三河湖 後編 2023/9/28 [山歩き・ウォーキング]


ナツツバキ.JPG
 林道から見上げた『ナツツバキ:夏椿』
 文字どおり、夏に咲く白いツバキです。幹はひとりでに外皮が剥がれ斑模様になる。中はスベスベしており床柱などに使われる。


 「とよた森林学校」(事務局:愛知県豊田市森林課)主催の『楽しい森林ウォーキング』、第2回目参加レポートの後編です。前編はこちらをクリック→https://teppan2.blog.ss-blog.jp/2023-10-01
 前編の最後がスタートしてから約3.2キロの地点。まだ残り6キロ以上あるけどがんばりましょう。
観察会で見かけた植物の索引はこちらをクリック


ウラゲエンコウカエデ.JPG
 『ウラゲエンコウカエデ:裏毛猿猴楓』”猿猴”とは手長猿のことで、裂片が深く切れ込んで長く見える様子を例えたものだそうです。背が高くなるそうで庭木には向かないとのこと。

ウラゲエンコウカエデ3.JPG
 裂片5枚。写真はさほど深く切れ込んでませんが、もっと深いのもありました。葉縁に鋸歯(ギザギザ)がないのも特徴。

ウラゲエンコウカエデ2.JPG
 そのエンコウカエデの仲間で、裏面の葉脈に毛が生えているので”ウラゲ”と付いたようです。



アカガシ.JPG
 『アカガシ:赤樫』他のカシ類に比べて材の赤みが強いのが和名の由来だそう。葉柄が長いのも特徴のひとつで、大木になるそうです。

アカガシ2.JPG
 アカガシ 葉の裏も艶やかな緑色。鋸歯がなく葉縁が波打つ。殻斗(かくと ※どんぐりの帽子)の手触りが良くフカフカしているそうです。


DSC07134.JPG
 観察しながらなので遅々として進みませんが、たまに進行を著しく妨げる植物が現れるので困りましたねえ、先生(^^



マンリョウ.JPG
 『マンリョウ:万両』濃緑の葉と真っ赤な実のコントラストが美しい植物。”千両、万両、有り通し”と言って、商売繁盛の縁起担ぎに使われる植物のひとつ。高くならないので庭木に使われ、里山でもよく見かけます。
 ちなみに、万両(マンリョウ)・千両(センリョウ)・百両(カラタチバナ)・十両(ヤブコウジ)・一両(アリドオシ)と、それぞれ植物が当てはめられていて、どれも赤い実が付きます。



サカキ.JPG
 『サカキ:榊』和名の由来は、神と人との境にある木だとする 境木=神の木(榊)というのが一般的。神事で使う玉串になる樹木ですから、日本人なら多くの人が手に取ったことがあるはず。深い緑色、光沢、全縁、厚手、均整の取れた形、なるほど神聖な雰囲気を持っています。ただし、北陸、信州、東北など、サカキが自生しない地域では他の植物を神事に使うそうです。


DSC07139.JPG
 まだ予定の半分まで到達していませんが、正午になったので林道脇で昼食にしました。近くの法面の崖の上に大木がそびえていました。樹高20m以上はあったでしょうか?講師が調べておられましたが、背が高くて葉っぱが確認できないので同定は難しそうでした。いったい何の木でしょうね。
 追記:松山講師によるとシラカシだと思われますとのことでした。先発班の北岡講師もこの木に目が留まったそうで、やはりシラカシではないか?とのご意見だったそうです。



ウラジロガシ.JPG
 『ウラジロガシ:裏白樫』シラカシに似ていて遠目では区別が難しいそうですが、葉の幅が狭いようですね。

ウラジロガシ2.JPG
 和名の由来は葉裏が白い樫。写真の木は鋸歯が全くなかったのですが、個体差?それとも若い葉だから?あるいは名前を聞き間違えたのかな? 追記:やはり個体差があって、鋸歯のない葉もあるようです。



ヤマウグイスカグラ.JPG
 『ヤマウグイスカグラ:山鶯神楽』和名は植物とは思えない印象的な響きです。由来はウグイスが囀り始めるころに咲くとか、ウグイスが実を食べる様子が神楽を舞うようだから、とか諸説あり。
 春に濃い赤色でラッパ状の花をつける。赤い実は食べられるそうです。基本種のウグイスカグラには葉や葉柄に毛がありませんが、本種には生えています。



メギ.JPG
 『メギ:目木』和名は枝葉を煎じた液に抗菌作用があり洗眼薬にしたことから。固いトゲを持っています。目薬に使うと言えば、他にメグスリノキというのもありますね。別名:コトリトマラズは枝に固いトゲがあるから。同属にヘビノボラズという、やはりトゲのある樹木があります。
 山歩きで藪漕ぎしていたら、この木に引っかかって痛い思いをしたことがあります^^; 春にガクが赤く花弁が黄色っぽい梅のような花がぶら下がって咲きますが、結構かわいいです。



ミヤコザサ.JPG
 『ミヤコザサ:都笹』京都に近い比叡山で発見されたためミヤコザサと名付けられた。

DSC07459.JPG
 葉は細長く茎(稈)の節の上に膨らみがある。分岐しないので背が低い。冬になると葉の縁が白くなる。
 他に葉の縁が白くなるものにクマザサがあります。teppanは初め ”熊笹” だと思い込んでいたのですが、葉の縁が白く隈取りされることから”隈笹”という名前だと知りました。




コアジサイ.JPG
 『コアジサイ:小紫陽花』装飾花(ガク部分)を持たない、花序のみの地味な花ですが、花柄や花糸の透き通るような紫色がなんとも素敵なんです。しかも花の香りが良いので、夏に咲いていたらぜひ試してみて下さい。
 園芸種のアジサイはこの種と正反対で、大部分が装飾花になるように改良されたもの。ガクアジサイやヤマアジサイは装飾花と明確な花序の両方を持つ。



タラノキ.JPG
 『タラノキ:楤木』新芽を天ぷらにして食べる春の山菜の代表選手。名前の由来はわからない。葉は2回羽状複葉でものすごく大きくなる。幹も枝もトゲだらけです。

 相棒の知人の話ですが、その方の友人がタラの芽採りに出かけた際、間違ってヤマウルシを摘んできて食べてしまい大変な目に遭ったそうです。新芽では判別しにくいので、葉痕(幹に残る葉が取れた痕)で判断すれば確実です。ヤマウルシはハート形、タラノキはV字形をしています。



ソヨゴ.JPG
 『ソヨゴ:冬青』名前の読みは葉が風にそよぐからという風流なもの。当て字は冬も葉が青いという意味でしょうか?葉は全縁で波打つ。葉柄が長く風にそよぎ易いのかも?サカキの代わりに神事に使う地域もあるそうです。
 雌花は花柄が長く先で枝分かれし、夏に小さな白い花を先端に咲かせる。真っ赤な実が濃緑の葉から垂れ下がる姿が素敵で大好きな樹木です。teppanが初めて知ったのは猿投山で、掛けてあった札の名前が印象的だったので覚えました。
訂正:花柄が枝分かれするのは雄花で、雌花は通常葉腋から1本の花柄が伸びるそうです。ご指摘ありがとうございました。



サジガンクビソウ.JPG
サジガンクビソウ2.JPG
 『サジガンクビソウ:匙雁首草』ガンクビソウの和名は、下向きにつく頭花がキセルの雁首に似ていることから付いたそうです。本種は写真の根生葉をサジ(スプーン)に例えた。基本種のガンクビソウは花の時期に根生葉がないそうです。



ウリカエデ.JPG
 『ウリカエデ:瓜楓』和名は樹皮が緑色で瓜の果皮に似ているから。葉は5列、3列に裂けたり、裂けない葉もある。花は穂状に垂れ下がる。他にそっくりな名前のウリハダカエデがあるが、葉が大きく樹皮に黒っぽい縦縞が入る。


ツノハシバミ1.JPG
 『ツノハシバミ:角榛』同属のハシバミと同様に実は食べられる。和名の由来は、葉にしわがあるのでハシワミから転じたとか、鳥が嘴で食むことに由来する「嘴喰」が転訛した、などだそうです。

DSC07164.JPG
 ツノハシバミの葉裏

ツノハシバミ3.JPG
 ハシバミと違ってツノハシバミの実は先が尖っている。中にどんぐり型の種子が入っているそうです。セイヨウハシバミ(ヘーゼルナッツ)の仲間で、和製ヘーゼルナッツとも呼ばれる。


スイカズラ.JPG
 『スイカズラ:吸い葛』つる性の木で花は甘い香りがする。和名は花を取って細いほうを吸うと甘い蜜があることに由来。2つ対になった花は、咲き始めは白だが徐々に黄色に変化することから金銀花という別名あり。
 もうひとつ「忍冬」という名前もあるようです。同属にツキヌキニンドウという、トランペットに似た赤い花を咲かせる園芸種があるそうで、名前は聞いた事があります。

スイカズラ2.JPG
 スイカズラの実 2個ずつ対になっているのが分かります。熟すと黒くなる。



コタニワタリ.JPG
 『コタニワタリ:小谷渡』幅の広い単葉のシダ。タニワタリの和名は、谷間で他の木や岩に身を乗り出すように着生している姿が、谷を渡ろうとしているように見えたことから。
 本種はタニワタリ(オオタニワタリ)に比べて小さいことから”コ”が付いた。はっきりとした葉柄があるのが特徴。講師によるとこの辺りでは珍しいそうです。沖縄地方ではタニワタリの新芽をてんぷらや炒め物にして食べるとのこと。
 teppanは昔、園芸店で見かけたタニワタリを気に入って浴室に飾っていたことがあるので、名前には馴染みがあります。



ホトトギス2.JPG
 『ホトトギス:杜鵑』前編:ヤマジノトトギスの項でも書きましたが、和名の由来は花被片にある斑点を野鳥のホトトギスの胸にある模様に見立てたもの。松山講師によると、これほど色が濃い個体はあまり見たことがないとのことで、もしかしたら誰かが植栽したのでは?

DSC07053.JPG
 先端付近だけでなく、各葉腋(葉の付け根)の下の方にも花茎が出るのはヤマジノホトトギスと同じ特徴です。


DSC07175.JPG
 講師がNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」に登場したツチトリモチの画像を見せているところ。宮崎県のとある山だけに自生するキバナノツキヌキホトトギスの写真も見せていただきましたが、日本にはまだ見たことのない珍しい植物がたくさんあるんですねえ。


DSC07177.JPG
 『ヤマハッカ:山薄荷』和製ペパーミントと言われるニホンハッカに似ているので付いた名前だそうですが、メントールの香気はほとんどないそうです。

DSC07255.JPG
 花の拡大写真。上唇に模様が入っているのがイヌヤマハッカとの相違点だそうです。


ヒカゲノカズラ.JPG
 『ヒカゲノカズラ:日陰葛』カズラと名が付くが他の植物に絡むことなく地面を這う。触ってみると固くてゴワゴワしています。
 この日は黄色い胞子のうが伸びていて、突くと白い胞子がいっぱい舞うのが見られました。この胞子は「石松子」と呼ばれ、湿気を吸収せず比重と大きさが花粉に近いことから人工受粉用の花粉増量剤(ムラなく撒くためのもの)に使われるそうです。



ノコンギク.JPG
 『ノコンギク:野紺菊』ヨメナと並んで日本を代表する野菊の一種。本種の葉はツヤがなく触るとザラザラとした感触だが、ヨメナはツヤがあって柔らかい。花色は濃い紫から白っぽいものまで巾広い。※ノコンギクの筒状花と舌状花にはハッキリとした冠毛が多く見られるが、ヨメナは冠毛が目立たない。



DSC07185.JPG
 『イヌブナ:犬山毛欅:犬橅』ブナよりやや低い標高500~600メートル付近に分布する。株立ちになるものが多いとのこと。樹皮の白っぽいブナと違い、皮目が多く黒っぽいのでクロブナとも呼ばれるそうです。

イヌブナ.JPG
 イヌブナの葉はブナより側脈が多く、固く尖った冬芽が付いていました。

イヌブナ2.JPG
 葉裏。ブナは毛がなく緑色なのに対して、本種には毛が多く白っぽく見える。



コナラシリゾウムシ.JPG
 ナラの枝がどんぐりと一緒に落ちていました、実をよく見ると小さな穴が空いています。コナラシギゾウムシやハイイロチョッキリという昆虫の仕業だそうで、たいてい中に卵が産み付けられているそうです。



ウスヒメワラビ.JPG
 『ウスヒメワラビ:薄姫蕨』3回羽状複葉で、葉の両面に白い軟毛がまばらにつくのが特徴だそうです。



ヤブウツギ.JPG
 『ヤブウツギ:藪空木』実ができていました。濃いピンク色の花が咲きます。本種は太平洋側に多く分布しますが、淡いピンク色の花を咲かせるタニウツギは主に日本海側に分布するそうです。ここ愛知県は伊吹おろしの影響がある為か、両方とも見られるとのことです。



DSC07196.JPG
 『サルナシ:猿梨』つる性の樹木。キウイフルーツと同属でマタタビの仲間。

サルナシ.JPG
 サルナシの実、断面はまさにキウイフルーツのミニ版。まだ熟し切ってなかったですが風味はまあまあでした。



シシガシラ.JPG
 『シシガシラ:獅子頭』よく見かける単羽状葉のシダ。新葉が伸びて先が丸まっている姿は、ピーヒョロロと息を吹き入れると伸びて、口を離すと戻る「吹き戻し」のイメージ。斜面で葉が垂れ下がる姿を獅子頭のたてがみに例えた和名だそうです。
 葉の根本に密に付く鱗片が毛のように細いのが特徴で、そこがよく似た葉を付けるオサシダとの相違点だそうです。通常の葉(栄養葉)とは別に胞子を付ける葉(胞子葉)が出てくるとのこと。




センブリ.JPG
 『センブリ:千振』和名の由来は、古来より生薬(胃薬)として利用され、非常に苦く千回振り出してもまだ苦いことから。

センブリ2.JPG
 ツボミがあったので近々花が見られるでしょう。


トチノキ.JPG
 『トチノキ:栃の木』5~7小葉の掌状複葉で大きな葉をつけます。小葉の形と大きさがホオノキと似ているので下から見上げると間違えやすいが、トチノキは小葉に葉柄がないことで区別できると講師に教わりました。
 栃の実は古来食料として利用されてきたそうですが、そのままでは食べられず、アクを抜いて砕いて餅と一緒にしたり、せんべいにしたりと、食べられる状態にするのにかなりの手間がかかるそうです。

 ちなみに中国ではこの樹木を「橡」と書くようです。「栃」という文字は日本で作られたので中国人には読めないんだそうです。ではなぜこの文字ができたのか?「栃木の元は十千木」だった。次のサイトにおもしろい内容がありましたのでぜひご覧下さい。栃木県情報サイト いいっぺとちぎ「栃木県の由来



ヤマボウシ.JPG
 『ヤマボウシ:山法師』赤い実が付いていました。第1回目の観察会でヤマボウシの実を拾って食べましたが、甘くて美味しかったです。

DSC05216.JPG
 こちらは6月に別の場所撮影したヤマボウシの花。花びらのように見えるのは総苞片で、本当の花は中心にある淡い黄緑色の球体だそうです。総苞片は咲いたばかりの頃は白いですが、次第にピンク色を帯びてきます。庭木で人気のあるハナミズキの仲間です。
 和名は中心の花序を法師(僧兵)の坊主頭に、総苞片を白い頭巾に見立てたものだそうです。


イイギリ.JPG
 『イイギリ:飯桐』和名は姿がキリに似ていて、葉をご飯を包むのに使ったことから。赤い実がブドウの房のように垂れ下がる。枝先に長い葉柄の葉が束生するのが特徴。



ノブドウ2.JPG
 『ノブドウ:野葡萄』つる性の落葉樹。実は美味しくないそうですが、緑、水色、青、紫など色の変化が大きくカラフルで絵になります。



ゲンノショウコ.JPG
 『ゲンノショウコ:現の証拠』植物とはとうてい思えないユニークな名前です。由来は胃腸薬としてその効果がすぐ現れることから。スタッフのYさんから教わりましたが、西日本の個体は赤色の花が多く、東日本は白花が多いそうです。中間にある愛知県では両方とも見られるとのこと。




マンサク.JPG
 『マンサク:満作』和名の由来は、春にいち早く咲くので「まず咲く」が転訛したしたとか、花がたくさん付くので「豊作」の意味をかけた名、とかです。早春、葉が出る前に細く縮れた黄色い花をたくさん咲かせます。春にまず咲くのはロウバイ、そしてマンサクです。
 実はteppan、花の時期しか意識してなかったので、葉っぱよく知りませんでした。どの図鑑やサイトを見ても葉は互生すると書いてある…でもこの写真で見ると対生じゃないの?写真を良く観察すると、1本の枝から交互に(互生して)短い枝が出ています。その短い枝先の芽を中心に対生になっている。このタイプも互生って言うんですね。
 粘りのある木で、白川郷の合掌集落では家屋の骨組みを縛るのに繊維をほぐしたマンサクを使うそうです。



コツクバネウツギ.JPG
 『コツクバネウツギ:小衝羽根空木』和名はガクの付いた実が衝羽根を連想する事と、ツクバネウツギより花が小さいことによる。本種のガクは2枚だがツクバネウツギは5枚ある。



カマツカ.JPG
 『カマツカ:鎌柄』名前のとおり、材を鎌の柄に用いたことによる和名とのこと。実が付いていましたが、赤く熟すと食べられるそう。折れにくく強靱で石工が使うハンマー(玄翁)の柄にも使われるそうです。別名ウシコロシ。春に梅に似た白い小さな花を枝先にたくさん咲かせます。




オオモミジ.JPG
 『オオモミジ:大紅葉』主に太平洋側に分布。中部以北の日本海側に本種はなく、近縁のヤマモミジが多いそうです。

DSC07219.JPG
 上の写真を拡大したもの。イロハモミジに似た形でより大きく、鋸歯が細かいとのことです。



DSC07221.JPG
コバノガマズミ.JPG
 『コバノガマズミ:小葉の荚蒾』名前の由来は諸説あるようでハッキリしたことはわかりません。基本種のガマズミより葉の幅が狭く先が尖っているとのこと。葉腋の部分にヒゲのような托葉が2本生えているのが同属他種にないコバノガマズミの特徴だそうです。
 講師によりますと、豊田市ではガマズミ、コバノガマズミ、ミヤマガマズミ、オオミヤマガマズミの4種が確認されているとのことです。




ノギラン2.JPG
 『ノギラン:芒蘭』和名の由来は、花弁が細く尖っていて芒(ノギ:イネ科植物の小穂の鱗片の先端にある棘状の突起)があるように見えることから。根生葉のみで、花がないとショウジョウバカマにそっくりです。


ノギラン.JPG
 花は終わり実の時期でした。よく似た草に別科のネバリノギランがありますが、そちらは花が開かないそうです。


DSC07229.JPG
 スタートしてから約5時間20分、ようやく「えぼし橋」に到着しました。残りあと1キロです。


DSC07232.JPG
 えぼし橋から見た巴川上流、川原の砂が芸術的な造形になっていました。



カワラハンノキ.JPG
 『カワラハンノキ:河原榛の木』ハンノキの和名は、湿った場所を好むので水田を開墾する際の目印にしたことから、「開墾」の一字「墾」をとり「墾の木(ハリノキ)」から転訛したとの説があるそうです。本種は河原に生えるハンノキという意味。 湿った場所を好み、増水すると水没するような場所に生えている。ハンノキとは葉の形状が異なる。



イヌツゲ.JPG
 『イヌツゲ:犬柘植』”ツゲ”と名が付くが別科だそうです。ツゲは櫛、印鑑、将棋の駒などに使われるが、本種も庭木や生け垣に多用される有用な植物で、”イヌ”と名がつくが勝るとも劣らない。葉が互生するのがツゲとの相違点。


ウワミズザクラ2.JPG
 『ウワミズザクラ:上溝桜』和名は、古代この材の上面に溝を掘り亀甲占いに使ったとのことで、”うわみぞざくら”が転訛したのでは?とのこと。サクラの仲間とは思えない、コップ洗いブラシのような白い花が咲きます。熟した実を果実酒にすると美味しいそうです。
 参加者のOさんから、以前住んでいた地域で”ヘコキザクラ”と呼ばれていたという情報があり、皆さん興味津々でした。樹皮に独特の香りがあるようで、薪にして燃やすと臭うらしいです。桜餅の香りの元であるクマリンを含むみたいですが、検索してみると確かに同様な情報が各地にあり、東三河地方でもヘコキザクラと呼んでいるようです。

ウワミズザクラ.JPG
 ウワミズザクラの落葉。葉脈がへこんでいるように見えます。




ヤクシソウ.JPG
 『ヤクシソウ:薬師草』和名は葉の形が薬師如来の光背に似るという説や、薬草として使われたことによるという説があるが定かではないそうです。ハナニガナに似ていますがこちらは秋に咲きます。



DSC07249.JPG
 最後まで熱心に植物観察する皆さん、なぜか?ここは疲れも忘れて集中されてましたね(^^


 北岡班より40分遅れでゴール。TOTAL9.5Km/5時間50分/平均時速1.7km/hでした。
 ずっと待っていて下さったNさん、ありがとうございました。松山先生、Yさん、そして参加者の皆さま、大変お疲れさまでした。

 以上で後編終了です、最後までご覧下さりありがとうございました。次回観察会(最終回)は10月12日の予定です。


※記事の作成にあたっては、主に以下のサイト・図鑑を参考にさせていただきましたm(__)m
木のぬくもり・森のぬくもり 
https://www.jugemusha.com/jumokuF.htm
庭木図鑑 樹木ペディア 
https://www.uekipedia.jp/
森と水の郷あきた 森と水の四季 特集「樹木シリーズ」
http://www.forest-akita.jp/data/2017-jumoku/top-index/index.html
松江の花図鑑
https://matsue-hana.com/
三河の植物観察
https://mikawanoyasou.org/
葉と枝による樹木検索図鑑
https://elm3.web.fc2.com/index.html
樹木検索図鑑V1.0
http://www.chiba-museum.jp/jyumoku2014/kensaku/
フィールドガイド日本の樹木 小学館
APG牧野植物図鑑 北隆館


(植物名索引:五十音順)
 名前をクリックすると記事内の該当個所にジャンプします。(前→前編 (後→後編
アセビ(前
ウツギ(前
サカキ(後
シラキ(前
スノキ(前
ソヨゴ(後
ミズキ(前
ミズメ(前
メギ(後

タグ:植物
nice!(3)  コメント(2) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 2

ウオーキング担当者

簡潔、明瞭、正確、楽しい、ブログをありがとうございます。
しばらしいですね~。
とっても、勉強になります。

参加者の皆さんも、とても喜んでみえます。

by ウオーキング担当者 (2023-10-05 10:57) 

teppan

ウオーキング担当者さん、コメントありがとうございます。

 自身の備忘録のつもりで書きましたが、ネット上に興味深い情報がたくさんあって、盛り込みすぎてしまったかなと反省しています。
 
 次回も楽しみにしております。
by teppan (2023-10-06 09:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。