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SOTO ウインドマスター SOD-310 レビュー [モノ・道具]

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 最近購入した新兵器。新富士バーナー(SOTO)マイクロレギュレーターストーブ・ウインドマスターSOD-310 


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 写真が内容物のすべて。新兵器とは言っても発売からすでに9年ほど経っているモデルです。ボンベ直付けタイプのガスストーブを購入するのは実に23年ぶり、アウトドア用の火器は幾つか所有しているんですが物欲に負けました(^^;
 teppanはずっとEPIgas党なのですが、最近話題のSOTO(ブランド名の由来は”外”)を一度使ってみたかったのです。ちなみにキャンプ漫画「ゆるキャン△」の登場人物 ”志摩リン” が使っているのもこのモデル。


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 風防無しでも風に強く、低温にも強いと言う謳い文句が書かれた外箱。


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 売りの一つ、マイクロレギュレーター機構の説明図。ガス圧に応じて噴出量を自動調整してくれるらしい。手動での火力調整は逆ねじの調整体でバネを押し込むことにより行われ、通常のニードルバルブタイプとは反対の動きになっている。この複雑な構造により器具栓を全閉から1回転以上させないとガスは出てこない。

 本当に低温に強いのだろうか?
 もう春になったので寒冷地テストはしていませんが、試しにガスボンベ(SOTOトリプルミックス)を氷水で冷やした状態(マイナス1℃くらい)で、SOD-310と23年前に購入したEPIgas・CSSAとを比較してみたところ、どちらも炎の勢いは十分で大差はありませんでした。もっと温度が低ければ差が出たのかどうかは不明…

 ならばこれではどうか?今度は沸点の高いブタンガス100%のCB缶ガスで同様に比較してみたところ、どちらもお湯を沸かせる程の火力は出せず、明確な性能差は確認できませんでした。

 あたりまえと言えばあたりまえなのですが、マイクロレギュレーターと言えども気化を促進する能力はなく、低温下で十分な火力が維持できるかどうかは、沸点の低いガスの含有率に左右されると言う結論です。
 パッケージには”低温に強い!”と謳ってありますので、他社製バーナーより低温で粘りがあるのかもしれませんが、そのあたりは冬山で実際に確かめてみたいですね。

SOTO SOD-310/ST-310関連記事リンク
BE-PAL「マイナス6度Cでご飯は炊けるのか?」2021/2/7
https://www.bepal.net/archives/138285

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 本体セットの他に、ガスボンベ・バーナーケース・オプションの4つ足ゴトク(フォーフレックス)を同時に購入。初めに検討したのはボンベ分離型のフュージョントレックSOD-331だったのですが、それを買ってしまうと、所有するEPIgas SPLITストーブのお蔵入りが明白だったのでこのモデルにしました。


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 ゴトクは着脱式 標準装備の3つ足「トライフレックス(下)7g」は軽量ですが装着しにくく、ナベやカップ径の対応幅は狭い。オプションの4つ足「フォーフレックス(上)27g」はバネ付きで装着しやすく、幅広い径に対応できるのでおすすめ。



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 フォーフレックスゴトクは先端を折り畳みできるので、径の小さいカップなどを置くこともできます。



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 伸ばせば大き目のナベにも対応。



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 どちらのゴトクもバーナーヘッドの淵に引っかかる構造になっていて、ガッチリ固定され不安定さはありません。



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 点火してみたところ(圧電素子を使ったイグナイター付き)
 低温下での性能はともかく、バーナーヘッドが風に強い形状なのは確か。強火ならば至近距離で強い風を送っても消えることはありません。また火力の調整範囲が広く、トロ火とかの微妙な火加減は得意そうです。

 説明書にある警告として、ヒートエクスチェンジャー付き鍋の使用は多量の一酸化炭素が発生するので絶対に避けるようにと書いてありました。ジェットボイルに代表される、底にフィンが付いたタイプの鍋は熱交換効率が高いのが売りで、色々と市場に出回っています。
 teppanが想像するに、SOTO製の他のモデルの説明書にはこの警告は書いてありませんので、このモデルのすり鉢状バーナーヘッドとナベとの間隔が狭い設計なのが影響しているのではないか?と思われます。


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 製造年月とシリアルNoのプレート。説明書には10年経ったら買い換えして下さいとあります。


  SOTO純正ガスカートリッジ(トリプルミックス)は多くのガス器具メーカーと同様「東邦金属工業」製。ガスの配合比はブタン35%・イソブタン45%・プロパン20%とのことです。
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 一般に販売されているガス缶(OD缶)の中で、プロパンガス100%のものは存在せず、寒冷地用でもブタン(沸点-0.5℃)とイソブタン(同-11.7℃)とプロパン(同-42℃)等の混合ガスになっています。

 EPIgas・EXPEDITION(極寒冷地用)ガスの配合比はイソブタン60%・プロパン40%と、公表されている中では最も低温向きだそうです。teppanも真冬の里山で「おでんナベ」をする際にこのガス缶を使った事があります。最初のうちはボンベが凍り付く様な状態でも十分な火力でしたが、ガスが少なくなるにつれ炎の勢いは下がっていきました。

 極寒冷地用にもかかわらず、これはいったいどうしたことか? 極低温下でまず最初に気化するのはプロパンガスで、それを使い切ってしまえば気化しにくいイソブタンガスだけが残るからなのです。
 例えばブタンとプロパンをミックスしているガス缶を寒冷地(-5℃以下)で使った場合、最初のうちはプロパンが気化するので良いのですが、最後は気化できない液化ブタンだけが残って使い物にならなくなるわけです。

 teppanの場合、冬の使用時にガス圧が低下する様な時は、ぬるま湯を入れた浅いトレイにボンベを置き、温めながら使っています。取り扱いに注意が必要ですが、これが最も手っ取り早い方法です。でも3000m級の冬山(マイナス20℃以下とか)だとぬるま湯がすぐに冷めてしまうので難しいでしょう。液出しできるガスバーナーなら使えるかもしれませんが、そんな条件下であればガソリンバーナーの右に出る火器はないでしょう。

  ちなみに、ブタンガス・イソブタンガス・プロパンガスの熱量はほぼ同じくらいだそうで、プロパンガスの混合比が高いからと言って火力が上がるわけではなさそうです。よく寒冷地用ガスに ”パワー” とか ”ウルトラ” とか書かれているのを目にしますが、低温時の使用に強いと言う意味で、火力はほとんど差がないんですね。


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 ゴトクとセットでこの大きさ。合計重量87gで最軽量ではありませんが軽い部類に入ります。寸法はガス缶直付けタイプとしては長め、使用時は背が高くなるので安定性の面ではマイナスか?
 ゴトクが着脱式なのが面倒に思うかも知れませんが、慣れれば一体式よりスピーディーにセットできますし、コンパクトになるので良いと思います。また、ゴトクが痛んだら新しい物と交換できるのも良い点です。


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  別売のハードケースにはこんな風に収納できます。

関連記事「Camping moon アウトドアガス器具用アダプタ」
https://teppan2.blog.ss-blog.jp/2022-05-28


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 新たにSOTOを加え、teppanが持っている火器が勢揃い。灯油ストーブは購入してから40年以上、その他のガスバーナーもずいぶん前に購入したものですが、いずれも現役で使えます。もっとも、ガスバーナーのうち実際に稼働しているのは2~3台ですが…


タグ:モノ・道具
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