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【奥三河】浦川から大入廃村探訪 前編 2022/10/29 [山歩き・ウォーキング]

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 見事な石垣が残っていた大入集落跡地(kameさん撮影)



【駐車地】愛知県道429号線 車止め地点(大千瀬橋を渡ったトンネルの先)※転回不可
 Mapcode: 386 511 483*05
 Googleマップ:https://goo.gl/maps/fCLjgNB497UfCLpx7


 愛知県奥三河の東栄町東薗目地区に今から60程前に廃村となった大入集落跡地があります。80年前の記録によると、車道も通じていない山奥に7軒約50名が住んでいたとのこと。
 花山天皇(かさんてんのう)の隠里だという言い伝えがあり、関係者が住んでいたそうです。神社跡近くに残る石像には江戸時代の刻印があり、大昔からこの地を住まいとしていたようです。東栄町周辺では霜月神楽の一種である「花まつり」が各地区で行われていますが、その発祥は大入集落であるとも言われているそうです。

 昨年ネットで見つけた大入集落についての資料の中に、「古い地形図に大入集落の北東あたりに謎の建物マークが描かれている」という記述があったことから、愛知の130山「離山」の登頂と併せて探索できないか?という構想を持ちました。

 今年2月の新聞にこの「謎の建物」の痕跡を探し当てた方の記事が載ったことからSNSにも現地に行ってみたというレポートがチラホラアップされるようになりました。そこで私達も5月にkameさんと3人で新豊根ダムから廃村と離山をセットで歩こうと出かけたのですが、途中県道の大崩落地点の通過が危険そうだったので回避、支尾根をよじ登り離山の周回ハイクだけに終わってしまったので、再チャレンジとなったのが今回の山行です。


  現地は愛知と静岡の県境近くにあり、日帰りで行くには遠いので前泊することしました。1日目はキャンプ場に行って泊まるだけなのでゆっくり出発です。
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 愛知県設楽町の道の駅近くにある飲食店「八雲苑:やぐもえん」で昼食。http://yagumo.main.jp/



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 お店の裏手に流れる寒狭川に観光ヤナもあって鮎料理が売りです。



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 食べたのは土日数量限定の「絹姫サーモン丼」。お値段は1400円と高目ですが、臭みが無くとても美味しかったです。鮎定食や落ち鮎の塩焼きも頼めましたが、財布の中身と相談してここは我慢です。(^^



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 静岡県浜松市にある「浦川キャンプ村」へ、大千瀬川の中州にあるので吊り橋を渡って向かいます。



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 下流方向に見えるのは菖蒲根山、夏は水遊びが楽しめそうですね。



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 シーズンオフ直前で閑散としたキャンプ場、他にはソロキャンパーお一人だけでした。管理人さんに聞くと、例年は9月末までの営業だが、今年はコロナ禍の関係で1ヶ月延長したとのことでした。



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 今宵の宿は5人用ログハウスで1棟貸し10,000円。明日は早朝暗い内からチェックアウトする予定なので、テントと違って撤収の必要が無いこちらにしました。



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 貸し切り状態なのでノビノビ、明るい内から宴会モードに突入です。



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 コロナ禍でブームとなっているキャンプですが、皆さん楽しみのひとつが焚き火。薪はキャンプ場にあると聞いたので現地購入しましたが、薪と言うより建築廃材がほとんど、だから着火が容易で良く燃えます。持続時間は短かかったですが^^;



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 さて、ちょっと早いけど食事の準備を。最近マイブームになっている焼き鶏です。オガ炭をチムニースターターに放り込んで固形燃料に火を着け放っておくだけの超簡単炭おこし。火が着きやすい様に消しオガ炭を下の方に入れておきました。



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 鶏モモ肉の串。何度か自分で肉を捌いて串打ちしたことがありますが、面倒なので業務スーパーで冷凍ものを調達してきました。自前のタレがなかなかどうして美味しいじゃないですか!(自画自賛)酒が進みます。

 ちなみに、ここでは書きませんが「やきとり」と「焼き鳥」と「焼き鶏」は違うものなんだそうです。


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 串物30本を全部平らげ、八雲苑で買った豚バラの味付け肉も美味しくいただきました。栄養バランスが悪いのでピーマンとネギもね。



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 焚き火を囲んでリラックス。炎を眺めていると気持ちが安らぐのはどうしてなのかな?



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 翌朝は午前3時半に起きて準備。あたりは真っ暗ですが、ログハウスの鍵を管理棟にそっと返してキャンプ場を後にしました。



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 キャンプ場から車で5分程、大千瀬橋を渡ってトンネルを潜った先にある車止め地点まで来ました。ここがスタート地点で2県にまたがる「愛知県道429号・静岡県道293号古真立佐久間線」の終点です。崖崩れのため何年も通行止めになったままで復旧の予定はなさそうです。



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 新豊根ダムまで大入川沿いを通る県道には素掘りのトンネルがあります。写真は第2トンネル。



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 しばらく進んで鉄橋を渡ると道は左岸に移ります。



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 秋深まりつつある大入渓谷、急峻な谷は「奥三河の赤壁」と例えられるそうです。上流に新豊根ダムができるまではかなりの急流だったそうで、ここで漁れた鮎は絶品だったと聞きます。



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 橋を渡ると2つめの車止め。



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 しばらく進むと大崩落地点に出ました。何年か前にここを歩いたレポート写真ではこんなに酷くなかったのですが、さらに崩れたものと思われます。油断すると谷底まで真っ逆さまなので慎重に通過しました。



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 落石の直撃で陥没した跡、いかに急峻な渓谷であるかが分かりますね。



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 これはカモシカですね、クマか何かに食べられた跡でしょうか?痛ましや…



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 このような新しい階段を幾つか見かけました。ダムの放水を知らせるサイレンの施設か、河川の監視カメラでしょう。



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 「滝見橋」からは上流に立派な滝が見えます。近寄れないので全貌は分かりませんが、落差40m以上はありそうでした。なかなか見事な滝でしたが写真では伝わりそうにないので載せてません。



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 足をすくわれ浮遊していたガードレール。



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 15キロポスト、大入集落跡地への取りつきまであと300メートルくらい。



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 写真の谷間が大入集落への取りつきです。がけ崩れ注意標識の支柱に”803”と書かれた赤テープが巻いてありました。昔この付近の大入川に「かずら橋」が架かっていて、東薗目集落と往来があったとのことです。


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 微かに踏み跡らしきものがありますが、歩きやすいところを適当に登りました。



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 約200メートルほど登って傾斜が緩んできたところで、ハッキリとした山腹道に出合いました。



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 途中のヤセ尾根。



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 山腹道を600mほど行くと石垣が出現、大入集落跡地に着いたようです。



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 見事な石垣が残っていました。この膨大な数の石をどこからどうやって運んできたのでしょう?

 この集落の事を初めて知ったのは、愛知県の里山ガイドブックの初期本「こんなに楽しい愛知の100山(1989年発行)」に掲載されていた「803mピーク」の項に、ルートの途中に大入集落跡があると書かれていたのを読んだ時です。当初はたいして気になりませんでしたが、最近はこのようなものにも興味を持てるようになりました。



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 倒壊した家屋、元々2階建てだったようです。残された石臼が寂しげ。



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 これは何に使っていたものでしょうか?



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 唯一原形を留めていた建物、蔵だったようです。



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 一段高い地点にある東薗目小学校・大入分校跡地。当時は職員宿舎もあって、先生が泊まり込みで教壇に立っていたとのこと。



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 尾根の途中にあったお墓、大正十年と刻まれていました。



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 東薗目から山越え谷越え人力で担ぎ上げたそうです、すごいですね。



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 神社跡の近くにあった石仏。



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 宝暦十一年(1761年)とありました。



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 そしてこちらが花山神社(熊野神社)。天竜川の石を供えて遠く熊野を遥拝したとのこと。



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 神社の前の参道、激急な階段が埋もれていました。転んだらアウトになりそう。



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 祠が幾つもあって、複数の神様が祀られていたのでしょう。



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 神社の裏手にあった倒木、「天狗の止まる木」と伝えられていたとのことです。


 大入集落跡地の探索はここまでです。このあと古い地形図に描かれていたという「謎の建物マーク」の地点へ向かいました。

 続きは後編へ こちらをクリック!→https://teppan2.blog.ss-blog.jp/2022-11-05





タグ:愛知のお山
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