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「瀧樹神社」圭介のユキワリイチゲと牧野富太郎 [植物]

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 瀧樹神社で咲くユキワリチイチゲ


 3月30日、三重県伊賀市の霊山を歩いた帰り道に滋賀県甲賀市にある瀧樹神社(たぎじんじゃ)のユキワリイチゲを観賞しに行ってきました。

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 滋賀県甲賀市土山町、旧東海道沿いに瀧樹神社の鳥居があります。


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 鳥居は神社から西に300メートルほど離れた場所にあります、これが一の鳥居なのかな?


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 2つめの鳥居を潜って奥まで進むと野洲川沿いに神社があります。


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 ズラリと並ぶ石灯籠の奥にある鳥居を潜ってさらに進むと左手が境内。


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 天狗杉は幹周り7メートル近い巨樹。説明書きによると、はじめ”瀧大明神”と呼ばれていたが、境内に矛杉が鬱蒼と繁っていたことから、室町時代の領主が”樹”の文字を加え「瀧樹大明神」と改名したとあります。この天狗杉はその時代、すでにこの場所にあった思われます。


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 瀧樹神社拝殿 湖東に伝わるケンケト祭りはユネスコの無形文化遺産に登録されていて、そのひとつが毎年5月3日にこの神社で奉納されます。
 京都祇園祭り「四条傘鉾」の踊りや囃子は長い間伝承が途絶えていたが、瀧樹神社に伝わるケンケト踊りを参考にして1988年に復活したとのことです。


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 左が天満宮で右が神社本殿 平安時代に伊勢神宮内宮にある瀧原宮から分霊を勧請したのが始まりで、室町時代に京都北野天満宮から菅原道真の分霊を勧請したのがこちらの天満宮とのことです。


 ユキワリイチゲは天狗杉周辺で群生していました。
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 木漏れ日が差し込む南向きの明るい林床。


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 3月初旬に見頃を迎えて1ヶ月、最盛期は過ぎていましたが見栄えの良い花も多くありました。


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 表側は淡い紫色で上品な感じのする花です。開花条件は日光か気温かは分かりませんが、朝早くだと閉じているようです。


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 花びらに見えるのは萼だそうです。裏側は淡い茶色。


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 根生葉は一枚の葉が深く切れ込んだミツバによく似た形、表側はザラザラとした手触りで斑入。


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 葉の裏側は紫色


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 ユキワリイチゲはイチリンソウ、ニリンソウ、キクザキイチゲなどと同属に分類されていて、学名を"Anemone keiskeana(圭介のアネモネ)"と言うそうです。

 "keisuke"とは伊藤圭介のこと。伊藤は江戸時代に名古屋で医者の息子として生まれ、幕末にシーボルトと交流を持ったのがキッカケで、日本の植物研究界に多大な影響を与えることとなった人物です。
 現在当たり前のように使われている「おしべ」「めしべ」「花粉」という言葉を最初に創り出したのが伊藤で、名古屋大学医学部や小石川植物園に関わりを持つ日本初の理学博士です。teppan_のホームマウンテン、猿投山にも植物採集に訪れていたそうなので親近感が湧きますね。
(他にもスズラン・ヒカゲツツジ・マルバスミレ・シモバシラなど、"keisuke"の献名を持つ植物が幾つかあるそうです。)

 2023年4月から始まるNHK連続テレビ小説「らんまん」では、「日本の植物学の父」と呼ばれる牧野富太郎が主人公として描かれます。teppan_も楽しみにしていますが、その牧野が植物学者として確立していく過程で影響を受けたのが伊藤圭介でした。

 牧野富太郎は生家近くで咲くユキワリイチゲやバイカオウレンを見ながら育ったそうで、帰郷した際に持ち帰ったユキワリイチゲを東京練馬の住居に移植し愛でていたそうです。三重県以西にしか自生しないユキワリイチゲですが、練馬の牧野邸跡に造られた牧野記念庭園で見ることができるそうです。また、生誕地の高知県には牧野植物園があるそうです。どちらも遠いのでteppanには難しいですが、機会があれば訪れてみたいです。(敬称略)

瀧樹神社 滋賀県甲賀市土山町前野155
Mapcode: 213 631 798*56

(参考サイト)
・名古屋市東山動植物園 伊藤圭介記念室https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/05_plant/05_05shisetsu/ito_keisuke.html
・練馬区立牧野記念庭園 https://www.makinoteien.jp/
・高知県立牧野植物園 https://www.makino.or.jp/
・NHK連続テレビ小説「らんまん」 https://www.nhk.jp/p/ranman/ts/G5PRV72JMR/


 以下神社で見かけた花の写真など

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 見事な葉蘭 むかし実家でこれに「おにぎり」を包んでいたことを思い出します。


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 ユキワリイチゲに混じって咲いていたカタバミの仲間。大きな花は園芸種?ミヤマカタバミに似ていますが、平地にも自生するのだろうか?


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 ムラサキケマン


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 セリの仲間(セントウソウ?)


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 ヘビイチゴ?


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 タチツボスミレ


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 クサイチゴ


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 ヒメリュウキンカ


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 サクラの花にニホンミツバチが留まっていました。

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