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【近江鈴鹿】奥の畑谷から雨乞岳・清水の頭 2023/10/28~/29 [山歩き・ウォーキング]

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 甲津畑から続く千種街道の紅葉



【駐車地】滋賀県東近江市甲津畑・鳴野橋手前林道脇スペース
Mapcode: 453 776 394*25


 くまなく歩かれた鈴鹿の山中にあって、今なお秘境の雰囲気を留める場所、それが雨乞岳の西側に位置する「奥の畑谷」と「清水の頭:しょうずのかしら」です。この日は山仲間(koumamaさん、kameさん)と4人でテントを担いで秘境の雰囲気を味わいに行ってきました。前回の記事はこの日のための事前調査で歩いたレポートでした。https://teppan2.blog.ss-blog.jp/2023-10-23-1

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 甲津畑集落のさらに奥、鳴野橋手前の林道脇からスタート。この時期になると毎年法面にサラシナショウマが咲きます。


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 テント泊のため皆さん重装備。それぞれ16キロ~20キロを担いで登りました。


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 桜地蔵で安全祈願。この地蔵尊はかつて千種街道沿いあった鉱山の隆盛を祈願して建てられたとあります。


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 林道を歩くこと約4キロ、この橋を渡り千種街道を離れて右に入ったところが奥の畑谷の入口です。橋の下流にコンクリート製の堰のようなものがありました。かつて(昭和15年頃)鉱山に電気を供給するための水力発電所が造られたそうですが、きっとその名残でしょう。


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 入口は狭い高巻き道になっていて落ちたらアウト、慎重に通過しました。(kameさん撮影)


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 奥の畑谷に入り、何度か渡渉しながら上流へ進みます。


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 ちょうど黄葉が最盛期、日射しがないのが残念。


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 ”奥の畑”と呼ぶに相応しい広場(扇状地)。この周辺にはこれほど平らで広い土地は他に無いので、地名が示すとおり、かつては畑作が行われていたに違いないでしょう。現在は苔と羊歯と枯れたバイケイソウの畑になっています。


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 奥の畑谷分岐から約1.5キロ上流に進んだ地点にテントを設営。軽量化して雨乞岳へ向かいます。この場所は10日前の事前調査で選んでありました。


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 雨乞岳の真西尾根に乗るため、調査しておいた支尾根の急斜面を登る。(kameさん撮影)


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 真西尾根の途中にある崩壊地。ここからは清水の頭と綿向山が良く見える…はずでした(^^;


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 ここから草地の急斜面になりますが、岩がゴロゴロ隠れているので要注意。とうとう雨も降ってきました。


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 西尾根と合流してようやく記念撮影。もう半ばヤケクソ(^^;


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 大峠の沢(おおたわのさわ)雨乞岳本峰にある池です。頂上すぐ横なので流入する沢はないのですが、枯れたことがないという伝説を持つ。大昔雨乞い儀式が行われていたとか。


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 雨乞岳の山頂です。この山は東西に目立つ2つのピークを持ち、西側のこちらが山頂になります。頂上が裸地になっている東雨乞の方が展望は優れています。


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 次は南雨乞へ。頂上に向けて笹の中にある踏み跡をたどっているところ。この稜線も素晴らしい展望なんですが何も見えません。(kameさん撮影)


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 南雨乞に到着。鎌ヶ岳のビュースポットなんですが、早々に清水の頭へ向かって下降しました。


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 清水の頭の稜線です。時折風速15m/sはありそうな爆風と横殴りの雨。鈴鹿でも指折りの展望稜線なんですが散々なコンディション。強風は承知の上でしたが、もっと早く回復するだろうという見込みは見事にハズレました。


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 東西に伸びる稜線では、少し風下(南側)へ降りればウソのように風がなくなります。記念撮影だけして奥の畑谷に設営してあるテントまで下りましょう。


※清水の頭(ショウズノカシラ)とは、旧奥の畑峠(野田畑峠)から南へ流れている「清水ヶ平谷」の源頭を表す名称ですが、参考書にはピークのすぐ西を源とするアシ谷を取って、”アシ谷ノ頭”と表現した方がより適当じゃないか?と書いてありました。
 正式な山名はありませんが、開放感抜群のピークから眺める雨乞岳や綿向山の姿は雄大で、鎌尾根の末端に尖った鎌ヶ岳に尾根つながりの仙ヶ岳、北は遠くに霊仙山、伊吹山、御池岳も確認できて、ずっと眺めていても飽きない、静かで心落ち着く場所です。昔は一面笹の海だったそうですが、現在は苔の稜線になっています。
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 無事テント場まで戻ってきましたが、雨は降り続いていたのでそれぞれのテントで待機。フライングでお酒を飲み始めたのは誰だ?(^^


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 そしてお待ちかねの宴会モードに突入。


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 肴の主役は「おでん鍋」。みんなでこれを囲んで一杯やろう!というのが目的でしたので、雨が上がってほんとうに良かったです^^(kameさん撮影)日が暮れて寒くなってきたので、一番大きいテントに移って二次会も開催されました。


(翌29日・日曜日)
 盛り込んであった計画のひとつ、ご来光を眺めに再び清水の頭へ向かいました。真っ暗な中ヘッドランプを照らして、あらかじめ付けておいた目印を探しながら急斜面を登りました。
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 テント場では月や星がクッキリ見えていたし、途中からも街の夜景が見えたのに、稜線近くまで登ってきたら雲の中になってしまいました。


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 予定通り清水の頭に到着したんですが…


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 期待したご来光は雲の中で見えず、晴れ間を期待して待っているところ。隠れていますが前方に昨日登った雨乞岳の山頂があります。


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 ときおり部分的に東の空が真っ赤に焼けたり、


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 鎌ヶ岳のシルエットが見えたり、晴れそうで晴れない空にヤキモキ。


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 稜線が朝陽に照らされた一瞬だけ、虹が見えてブロッケン現象が現れました。


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 奥の畑谷を見下ろす。登って来た尾根は綺麗に色づいています。1時間半くらい粘ったんですがとうとう晴れず、諦めて下山しました。


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 落ち葉が積もった急斜面を下って行く。


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 立木に掴まりながら、濡れた木の根っこや浮き石に注意しながら慎重に下りました。


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 無事テント場まで戻って一安心。朝ごはんを食べて帰り支度を始めましょう。


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 朝ごはんはおでんの残りと、

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 koumamaさんが調理してくれたロールパンサンド。ごちそうさまでしたm(_ _)m


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 帰り支度を終えた頃にはすっかり晴れてきました。


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 名残惜しいけど、奥の畑谷を下ってゴールを目指す。


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 シオジの巨樹は幹周り5メートル越え、奥の畑谷の盟主です。


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 振り返ると、黄葉に照らされた奥の畑谷が ”またおいで” と言っている様でした。


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 藤切谷の紅葉は見頃を迎えていました。 


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 桜地蔵にお礼参り。


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 駐車地に戻ると路上駐車の列。ふだん平日にしか来ないので、この賑わいには驚きました。


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 koumamaさん、kameさん、そして相棒さん、大変お疲れさまでした。

(あとがき)
 28日の午後から晴れると予想して決行したんですが、気圧の谷の通過が遅かったようで、雨乞岳周辺の稜線は雲に包まれ雨模様に、おまけに瞬間15メートル/minはあろうか?という爆風にもさらされて、”清水の頭のたおやかな稜線から素晴らしい眺めを堪能してもらおう”と言う計画は無残にも吹き飛ばされてしまいました。
 29日に期待したご来光も早朝は雲の中…時折見える景色に一喜一憂しながらしばらく待ってみたのですが、諦めて下山することになってしまいました。

 重い荷物を担いで渡った木橋や渡渉の数々、雨と爆風の中、笹の海を掻き分けビショ濡れになりながら歩いた雨乞岳の稜線、浮き石と滑る根っこにビビリながら登下降した清水の頭の激急斜面など、極悪天候にもかかわらずバリエーションルートを歩き通せたことは、後々の話のネタにできそうです。
 唯一救いだったのは、28日は夕方には雨もあがってテント場で宴会ができたこと。寒かったけど楽しくお酒が酌み交わせたのは、良き思い出のひとつとなるでしょう。

 ※この山行きから5日後、山SNS(ヤマレコ)で同じ場所を歩いた方の投稿を見ていたら、トレッキングポールの忘れ物の写真が載っていました。”どこかで見たようなポールだなあ…あっ!俺たちのだ!”家に帰ってから片付けしていても全く気がつかず。近々もう一度訪れることになりそうです。(もう無いかもしれませんが…)

(コース状況)
 28日:奥の畑谷、雨乞岳真西尾根 29日:清水の頭を登下降したルートには、登山道・案内標識はありません。歩く場合は地形図・コンパス・GPS機器等でルートファインディングを要します。初級者は山慣れた方との同行が望ましいです。

(おまけ)
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 帰り道に池田牧場に立ち寄って、


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 koumamaさんにイタリアンジェラートをご馳走になりましたm(_ _)m


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 そしてお昼は道の駅・奥永源寺渓流の里「ふる里まなびや」の岩魚定食。美味しかったですよ。


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 道の駅で見かけたホトトギスとキイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑)

『周辺情報』
【日帰り温泉】
 永源寺温泉・八風の湯 https://www.happuno-yu.com/eigenji/
※モンベルクラブ会員割引あり
【イタリアンジェラート】
 池田牧場 http://www.ikeboku.com/
【道の駅】
 奥永源寺渓流の里 http://okueigenji-keiryunosato.com/

タグ:鈴鹿の山
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