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【東三河】雨生山 世界の桜の園から 2023/11/09 [山歩き・ウォーキング]

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 ムラサキセンブリの花



【駐車地】「世界の桜の園」駐車場(愛知県新城市中宇利岡)

 秋の雨生山(うぶさん)へ野草の花見に行ってきました。愛知・静岡県境に位置する蛇紋岩質の山で、超塩基性土壌特有の野草が生えていることで知られています。そのため、この周辺に自生する野草には”シブカワ”や”エンシュウ”の名前が付いているものがあります。 

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 明け方自宅を出発。朝焼けを背にした炮烙山と六所山を矢作川の堤防から。


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 愛知県新城市にある「世界の桜の園」駐車場からスタート。訪れるのは3年半ぶり2回目です。


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 お目当てのひとつ、エンシュウハグマはteppanが大好きな花のひとつ。終わりがけでしたがわずかに咲き残っていて写真に収めることができました。名前のとおり静岡県遠州地方と愛知県奥三河・東三河地方に自生します。


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 ハグマ系の花はどの種類も風車みたいで可愛いですが、私が知る中ではエンシュウハグマが最も芸術的だと思います。ほんのりピンク色がかっていて、花びらの先端がクルッとカールしているところがチャーミング。これはエンシュウハグマに限りませんが、3つの小花が絶妙に絡み合って、あたかもひとつの花の様に見えるところが秀逸です。


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 コウヤボウキ、こちらも小花が10個集まってひとつの花を形作っています。


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 ”ゴミかごはあなたの心の中にある” 前回来た時のレポートでも突っ込んだ気がしますが、ゴミかごは心の中には持ってないけど、ゴミ袋はちゃんと持って来ましたからね^^


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 リュウノウギク 和名の由来は”竜脳”と呼ばれる精油に香りが似ているからとのことですが、確かめていません。


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 冠毛はありません。


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 ゆるりと3裂した独特な形の葉。


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 ええ~っと、ハナラッキョウだっけ?いや違うヤマラッキョウだ。”ハナラッキョウ”は漬け物の方だった^^; ヤマラッキョウは食べられなくもないが食用にはされない様です。※実際にハナラッキョウなる植物もあるようです。


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 線香花火のようなツボミ。この野草は歩いたコースの各所で見かけました。


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 そしてお目当てのもう一つがこのムラサキセンブリ。日本各地に自生しているようですが、絶滅危惧種に指定されている県が多いです。愛知県内では東三河の超塩基性地に集中しているとのことです。歩いていて気が付いたのは、登山道や作業道脇で多く見られたこと。陽当たりを好み、他の植物が繁ると衰退してしまうと思われるので、人的な草刈りが無いと絶えてしまうかもしれません。


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 花の中央部はヒゲがモジャモジャしています。センブリに比べると苦みは弱く、生薬としては承認されていないようです。


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 花の裏側から。離弁花に見えますが、他のセンブリ属と同様に合弁花で4~6裂するようです。


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 4裂片のムラサキセンブリ。

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 ツリガネニンジンの花はほとんどおしまい、咲き残りを少しだけ見かけました。


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 なかよし道祖神


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 ヒイラギの花は今ごろ咲くんですね。


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 ミカワマツムシソウ 写真の株は筒状花のみ、小花の数は少なく頭花は2~3センチと小さい。舌状花が少し付くこともあるそうです。
 愛知県のRDBリストによると、県内のマツムシソウは低地になるほど頭花が小さくなる傾向があり、変異は連続的なので、ミカワマツムシソウとして別種扱いするのには否定的に書かれていました。現在は蛇紋岩質の山地でしか見られず、不連続に見えるとありました。


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 花が落ちた跡もなかなか面白い。


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 ワレモコウ


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 咲き残っていたアキノキリンソウ


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 葉っぱをよく確認してなかったので断定できませんが、蛇紋岩地固有のヤナギノギクかもしれません。


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 こちらはノコンギク、舌状花の数が多いです。


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 中宇利丸山への登り、登山口からずっと笹狩りされていて助かります。


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 登る途中で見かけた野菊。初めはシラヤマギクかと思ったのですが、蛇紋岩地固有の「シブカワシロギク」という種があるそうなので、それかもしれません。知識が無いので良く分からず。


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 中宇利丸山にある「愛の鐘」鳴らしたら音が大きくてビックリ!そういえば前回来た時も鳴らして驚いた覚えがあります。


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 丸山から笹を分けて鉄塔管理道を下り、前方に見える雨生山をめざします。


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 こちらは本家「センブリ」。全草を乾燥させて煎じ薬にするそうですが、口にするとかなり苦いです。


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 ヒヨドリバナ


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 笹藪の中に赤い実が見えたので掻き分けてみたらヤブコウジでした、名前どおりだね。


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 クサギの実

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 オレンジ色に色づいていた木。葉は対生、全縁で光沢があり薄くてゴワゴワとした感じ。調べてみましたが、たぶんヤマコウバシではないかと。枝を折ると清々しい香りがしましたがクロモジと同属のようです。


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 林道に出たら左へ。


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 これは何かな?ツリガネニンジンの実ですね、部分的に面影が残っています。


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 綺麗に色づいたヤマハゼ。


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 スズカアザミ


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 ガマズミ


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 開いたリンドウがチラホラ。


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 林道から山道へ入りました。


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 反射板へ行ってみます。


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 白いクモに蛾が捕まっていました。


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 反射板のある尾根に出ました、いい眺めです。


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 ムラサキセンブリとセンブリが至近距離で咲いていました、交雑することもあるのでしょうか?


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 展望尾根で早めのランチ「山めしクッキングコーナー」


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 まずマカロニパスタを茹で、ミックスビーンズ・魚肉ソーセージ・コーンスープの素を入れ煮詰める。


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 最後にポテトチップス、スライスチーズを乗せて直火で炙れば「ポテチマカロニグラタン」の完成!



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 人の声が聞こえてくるなあ…と思っていたら、ランチした展望広場は県境稜線登山道のすぐ側でした。写真は主稜線から見た雨生山・吉祥山・本宮山(左から)


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 一株に80個程の花(蕾)を付けたムラサキセンブリ。草丈は60~70センチはあるでしょうか?センブリに比べると総じて大きいです。


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 山頂に到着。


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 前回ここに来た時と比べると、南側が切り開かれて展望が良くなっていました。


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 浜名湖と遠州灘


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 山頂北から直登コースを下りました。写真は下り始めで見かけたミヤマシキミ。


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 尾根道は急ですが展望抜群です、よく笹狩りされていました。


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 宇利トンネルから先の東名高速(愛知県側)


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 まだ咲いていたアキノタムラソウ。


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 根生葉(アキノタムラソウ)


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 リンドウが群生しているかに見えますが、これで2株だけです。


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  サルトリイバラの実。ぜひこれを撮ってみたかったのですが、なかなか赤い実の付いた株がなく、ようやく見つけました。


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 麓の林道に着地。


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 コセンダングサ


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 かわいいハキダメギク


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 ヤクシソウが、


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 こんなにたくさん咲いていました。



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 コスモスと吉祥山


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 林道沿い駐車スペース横を通過して、比丘尼城跡方面からクルマに戻ります。


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 赤いヘビはジムグリ


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 駐車場に戻ると他に6台増えていました。

(あとがき)
 この日お会いした常連さん?の女性がおっしゃるには、今年はムラサキセンブリの花が少ないとのこと。昨年はもっとたくさん群生していたそうです。teppanはあちこちでたくさん見かけたので、そんな印象はなかったですが、2年草なので隔年で当たり外れがあるのかもしれませんね。


 また、下山途中でお会いした男性から”ウメバチソウを見かけたか?”と聞かれました。この日は気にしてなかったので「見かけませんでした」と答えましたが、そう言えばこのエリアで咲いていると聞いた事がありますね。
 その方はイヌセンブリ・センブリ・ムラサキセンブリ3兄弟を撮影しに来られたそうです。イヌセンブリは湿地に自生するので雨生山には無いようですが、別の場所に立ち寄ってから来られたとのことでした。イヌセンブリはムラサキセンブリ以上に希少な種です。
 センブリは全草を乾燥させて煎じ薬にするそうですが、口にすると同属他種とは比較にならないくらい苦いです。ちなみに、過去てっぱんが口にしたもので一番強烈だったのがサンショウの実で、しばらく舌が麻痺したままでした^^;


(おまけ)
 ハイキングの帰り道に豊川市にある砥鹿神社を参拝してきました。

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 表神門をくぐると広い境内。


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 砥鹿神社は三河國一之宮で、本宮山に奥宮があります。


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 見事な菊花。良く見るとこれ全部が一株なのに驚きました。


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 日本一大きい「さざれ石」


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 えびす社


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 これは何か?と申しますと、神社の駐車場近くに積まれていた砂が雨により浸食されたもの。てっぺんに小石が乗っている塔が林立しているのは、そこだけ浸食を免れたからでしょう。ミニグランドキャニオンは面白いですね。


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 御朱印を授かってきました。


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