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【鈴鹿】嶽参道をたどり不動谷から国見岳へ  後編 2023/11/30 [山歩き・ウォーキング]

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 国見尾根のゆるぎ岩と天狗岩


【駐車地】蒼滝公共駐車場(無料:水洗トイレあり)三重県三重郡菰野町菰野8496


 国見岳を最後に訪れたのは11年前、まだ洪水被害が癒えていなかった頃で、嶽不動は訪れないままになっていました。この日は嶽参道を歩いてお不動さんをお参りし、そのまま不動谷を詰めての国見岳登頂にチャレンジしてみました。

 後編は嶽不動尊から不動谷を遡行して国見岳山頂を目指します。前編(鳥居道キャンプ場から嶽不動)はこちらをクリック→https://teppan2.blog.ss-blog.jp/2023-12-03
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 嶽不動の少し先から急登して不動滝を巻きます。


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 不動滝の落口から50メートルほど上流、旧国見尾根コースの入口に出ました。


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 不動滝の方に少し下ったところから不動谷の支流を偵察。以前はこの谷沿いに国見尾根への一般コースが通っていましたが現在は通行止め。土石流が流れ下ったせいで岩肌に苔が付いていませんね。


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 戻って不動谷本谷の遡行を開始します。こちらは比較的緩やかで土石流は起きなかっようですね。


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 馬の背状の岩を乗り越えているところ。


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 序盤は岩の間を縫うように高度を上げていきます。


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 不動滝の上流には目立った滝はなく、このまま行けそうな感じだったのですが…


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 谷の真ん中に炭焼窯の跡を発見、こんなところでも炭を作っていたとは驚きです。


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 中州状になっている所を登っているところ。高度を上げるにつれ、杉やシャクナゲなどの障害物が増えてきて苦戦を強いられるようになってきました。


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 岩とシャクナゲの間を四つん這いで通過。


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 枝藪が密になり進むのが難儀になってきたので、谷芯を離れ左寄りに登っていくと国見岳山頂近くの大岩群が近づいてきました。


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 標高1100メートル付近、ここまで来れば疎林になり歩きやすくなります。後方は四日市の市街地と伊勢湾。


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 大岩の縁を回り込むように登っていく。


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 大岩の間から笹斜面を急登してしばらく登っていくと、


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 国見岳山頂にある岩に到着。嶽不動から1時間くらいのつもりが2時間近く掛かってしまいました。


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 11年ぶりの国見岳山頂です、広角展望が素晴らしい!谷間を登っているときは晴れていたのですが、残念ながら上空は雲に覆われてしまいました。


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 北方に釈迦ヶ岳、国見岳の方が少し高いようです。


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 山頂近くにある「桃岩」 ”桃”と言うより”巨大梅干し”といった感じですが、形も立ち姿も大きさも奇岩と呼ぶに相応しい。


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 ここで岩を風よけにして”おむすび”でエネルギー補給。気温は0.5℃で思ったより寒くなかったです。


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 「石門」こちらも国見岳奇岩のひとつ。


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 石門の上から御在所岳・朝陽台を望む。雨量観測用レーダードームが確認できます。


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 ここから湯の山へ下るには他に国見峠経由・御在所岳裏道がありますが、12年ぶりに奇岩を見たくなり国見尾根コースで下山します。


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 国見尾根にある奇岩「ゆるぎ岩(写真上)」と「天狗岩(写真下)」です。


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 ゆるぎ岩の上からお隣の天狗岩を見たところ。2つの奇岩は近くに並んでいます。


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 東は木曽三川を挟んで遠く名古屋駅のビル


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 西は関西地区クライマーの御用達ゲレンデ、御在所岳藤内壁の全貌


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 南の眼下には裏道が通る北谷が見えます。2008年の大洪水で小屋も登山道も壊滅的な被害を受けましたが、今は落ち着きを取り戻しています。手前に小さく写っている赤い屋根が藤内小屋で、下流には名瀑「蒼滝」があります。往きに下を潜ってきた「かもしか大橋」も見えますね。北谷は三滝川源流のひとつ。


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 ゆるぎ岩を登山道から見上げたところ。高所恐怖症なのでさすがに先端付近には立てませんでした。


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 久しぶりに国見尾根を下りましたがハードなコースでした。


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 何ヶ所もロープ場が出てきます。


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 P1004手前の鞍部、ここから岳不動に下るコースは通行止表示(×)になっていた。


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 2008年洪水でこの下が崩壊して土石流が起きました。往きに不動谷から見上げた支谷の一番上が写真の場所です。


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 国見尾根の界石。前編でご紹介した割谷の頭にある界石と対になるものです。菰野と千草の境界線争いの決着は、国見尾根と割谷の頭を境にして落ち着いたのでしょうか?


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 展望地から雲母峰。


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 またロープ場です、元々は岩の真ん中あたりがルートだったように見えます。


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 空中に露出した木の根っこが頼りとは、なかなかにワイルド。


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 ようやく緩やかになってきたあたり、最後まで気が抜けないコースでした。


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 北谷を渡渉して先日お世話になった藤内小屋に到着。ここからは歩きやすい裏道を行きます。


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 小屋の温度計は6℃


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 七の渡し 国見尾根に比べたら天国のように歩きやすい裏道です。


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 洪水災害後に建設された堰堤を通過する。


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 何かの工事中。


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 裏道の鉄橋は崩れた斜面に押されて曲がったままです。


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 ダムのメンテナンス工事だそうです。


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 続けて裏道を行きます。


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 堰堤から垂らしてあった水管。


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 北谷沿いを下って登り返し、蒼滝大橋の下を潜ります。


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 古い標識


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 比較的新しそうな鉄橋がありました。


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 続けて鉄橋を渡る


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 いったん裏道を離れて蒼滝を見に行きました。土石流が流れ下ってから15年が経過、赤茶けていた滝肌も落ち着いた色合いになってきました。


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 蒼滝のすぐ下にある茶屋「せせらぎ」は橋が流され孤立したまま残されています。洪水前はここからから下流に東海自然歩道が通っていましたが、たきみ橋・るり橋・あかね橋・蒼滝橋の4つが流失、もしくは堰堤工事で失われ、復旧されないまま迂回コースに変わりました。道はありませんが、蒼滝公共駐車場から堰堤を越え、川の中を歩いて蒼滝へ歩く方もたまに居るようです。


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 蒼滝不動尊 ここにも茶屋と展望デッキの跡が残っています


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 蒼滝不動から階段道で湯の山温泉街の一画に下りてきました、ここが御在所岳裏道一合目です。


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 ロープウエイ駅のある場所まで登り返す。疲れているので辛かった…


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 紅葉が綺麗な湯の山温泉街


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 御在所ロープウエイ湯の山温泉駅、モンベルの店舗もあります。


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 かもしか大橋脇の階段を下って駐車場へ。名古屋市街地方面は晴れているようですね。


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 スタートしてから9時間半、無事戻って来られました。山の神々に感謝。


(あとがき)
 前編にありますように嶽不動までは順調でしたが、その先の不動谷詰めは情報がありません。どうにもダメだったら不動谷左岸尾根へエスケープすることにして谷を詰めて行きました。
 幸い不動滝の上流に大きな滝は無く、途中までは想定内の遡行ができましたが、稜線が近づくに連れシャクナゲ、杉の幼木、ドウダン?の藪が密になってきて、枝を分けて突破するのが難儀になってきました。
 左手(南側)に大岩群が近くなってきたので、歩きやすそうな岩の周囲を通り、途中の岩間から笹の急斜面をよじ登っていくと、国見岳山頂の岩が見えてきて無事登頂できました。

 嶽参道歩きまでは良かったのですが、不動谷遡行は藪漕ぎを想定してなかったので、予定時間の2倍も掛かってしまいました。もう二度と不動谷を詰めることはないと思います。不動明王さま、お騒がせして申し訳ありませんでした。


(概要と注意点)
・岳不動から不動谷を溯って国見岳に至るルートには登山道、標識、案内テープ等は一切ありません。地形図と実際の地形を照らし合わせて進路を決められる人でないと歩けません。苔で滑りやすい岩の上を頻繁に通過します、登山靴のソールではスリップして危ないので相応の装備が必要。

(コース状況)
・岳不動~国見岳(不動谷遡行)
 岳不動のすぐ先から右の山腹を急登して不動滝の上に出ると、通行止の旧登山道(国見尾根P1004方面)の分岐標識に着く。そのまま西へ谷を詰めて国見岳山頂をめざす。
 序盤は谷中の岩を越えたり巻いたり楽しく歩けるが、国見岳まで残り標高差100メートルあたりからシャクナゲ藪エリアに突入。枝を掻き分けながら大岩を縫う様に登るが、見通しが利かないので厳しい。水流も1本ではなく2本に分かれていたりするので、どちらに進むか判断に迷う。
 南側に国見岳山頂周辺の大岩群が見えてきたら、シャクナゲの藪を避けて歩きやすい岩の真下を沿うように進み、大岩の間から笹の斜面を急登して国見岳山頂のすぐ北に出る。不動滝から上部には遡行の障害になる様な目立った滝はありませんでした。
・国見尾根
 正規道ですが上れば急登、下れば急降下の連続で最後まで気が抜けないコース。木の根っこが網の目のように露出している地点は濡れると滑りやすいので要注意。浸食崩壊が進み固定ロープ地点多数。転倒しないよう慎重に。展望に優れ、天狗岩・ゆるぎ岩・界石・藤内壁展望地など、見どころが多いのが長所。

タグ:鈴鹿の山
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